サンドウェッジ

 サンドウェッジの黒染め品のめっきです。錆びてしまったので今後の防錆の為に。練習用です。本来、ゴルフクラブにめっきというとニッケルクロムめっきが一般的です。中には銅めっきだけで風化を楽しむ物や、ニッケルのみの物もあります。亜鉛めっきのゴルフクラブは皆無でしょう。
 売り物ではなく、練習用なら十分かと思います。クロムめっきと比べると耐食性が劣りますが、黒染めよりはマシです。

 まずは刻印に入っている塗装をはがします。今回は黒染め品なので剥離は無しです。(注:バラし組み付けは出来ません)

 錆が進行していたので、バレルめっきラインにて共摺りの中でめっき。それでもやはり錆の痕が残ります。

 余談ですが、恐らくこのサンドウエッジはS30Cあたりの鋼材を使っていると思われます。下はHV換算の硬さの一般的な数値一覧です。

鉄S30C HV150~200
無光沢ニッケル HV150~250
光沢ニッケル HV300~500
クロムメッキ HV800~
亜鉛めっきジンケート HV90~120

 亜鉛めっきは素材よりも柔らかいめっきです。一般的なニッケルクロムされためっき被膜より柔らかいです。個人的にはゴルフクラブのめっきにこんなに適しためっきはないと思います。黒染め品と同等の打感?

 ただし、一般的なゴルフクラブにされているニッケルクロムめっきは、個体差があるでしょうし、メーカーによっても異なると思いますが、クロムめっきは0.5μ以下、ニッケルで8μついているのを測定したことがあります。もし、硬度を測定しようとしても、この程度の薄さのめっき被膜では素材の性質が影響されてしまい、正確な硬度を計測できないでしょう。つまり、ゴルフクラブにされているめっき硬度が、上記の硬度を有しているかというとNOだと思います。被膜が薄いので、そのめっき被膜性能が発揮されるまでに至っていないと思います。打感に影響を及ぼすかどうかは個人の見解ですのでわかりません。