亜鉛めっきの表記は?

 JISにおいて、亜鉛めっきは以下のように表記します。

JIS H8610
1級 めっき最少厚さ2μ Ep-Fe/Zn2 又は Ep-Fe/Zn[1]
2級 めっき最少厚さ5μ Ep-Fe/Zn5 又は Ep-Fe/Zn[2]
3級 めっき最少厚さ8μ Ep-Fe/Zn8 又は Ep-Fe/Zn[3]
4級 めっき最少厚さ12μ Ep-Fe/Zn12 又は Ep-Fe/Zn[4]
5級 めっき最少厚さ20μ Ep-Fe/Zn20 又は Ep-Fe/Zn[5]
6級 めっき最少厚さ25μ Ep-Fe/Zn25 又は Ep-Fe/Zn[6]

旧JISではMFZnと書かれていた。古い図面などにはまだこれが残っているケースがある。

クロメート処理の指定は下記のように表記します。

JISH8625
1級 光沢 CM1A
1級 淡黄色 CM1B
2級 黄色 CM2C
2級 緑色 CM2D

例:Ep-Fe/Zn8CM2C  鉄上亜鉛めっき8μクロメート処理(黄色)

 クロメート処理に関して、三価クロメートが主流になってから、JIS表記が使いにくくなった。JISにて三価を規定していいない関係である。近年の上記クロメート処理の表記も難しい一面がある。現在では一般的にCM1がユニクロ、CM2がクロメート、CM2Dがブラック、オリーブであると言え、その他はほとんど使われるケースは無い。オリーブは近年ほとんどのめっき業者で廃止されており、需要もないのでCM2Dというとブラックを指すケースが多い。
 本来、JISでは三価を規定していないので、JIS記号を使用してめっき指示をするということは六価クロム化成処理をするという前提になる。そこで、三価クロム化成処理を指定する場合に便宜的に「TC」(トリクロム)か「三価クロメート」と表記する方法が取られる。

例:Ep-Fe/Zn8CM2C(TC)鉄上亜鉛めっき8μ三価クロメート処理

 塩水噴霧試験にて白錆が発生してはならない時間規定
CM1A 6時間
CM1B 24時間
CM2C 72時間
CM2D 96時間

塩水噴霧試験の白錆発生の規定
 100CM₂内に3個以上の明確な腐食生成物がない事

水素脆性除去のベーキング処理
HB

例:Ep-Fe/Zn8CM2(TC)HB 亜鉛めっき8μ三価クロメートベーキング